は・て・なにようこそ! vol.2

はてなさん、はてな住民100万人突破、おめでとうございます。ここ最近入居数が増加しているそうで、はてなブックマーク・キーワードの機能強化や斬新で面白いサービスの新規追加の効果だと思います。私も、はてなブックマークにはお世話になっていて、この弱小ブログが「通貨をデザインしよう」というなにやら抽象的なテーマにも関わらず、各方面の方々と広くて薄い紐帯を結べた経緯は以前ブログした通りです。
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vol.1のレポートから2ヶ月、はてなブックマークを効果的に利用する新たなコツが分かったので、今回、vol.2としてレポートします。コツといっても、みんなが普通に使っている機能だと思います。でも、はてなさんの気の利いたバージョンアップがとても心地よいので、私なりの視点で紹介させていただきます。
まず始めに注目したい機能は、プロフィールです。はてなブックマークで、気に入ったはてな住民をお気に入りに加えると、プロフィールで、お気に入り、ファン、フレンドと整理されます。この機能、昔っからあったのかは分かりませんが、mixiのマイミクっぽいですね。マイミクよりは気軽に使えるので、私は、「これは!」と思う人をお気に入りに追加していってます。マイミクとは違って、はてなのお気に入りは、ファンという状態でいられるので、片思いをしていることを相手に気づかせることができます。相手も積極的に、自分にシンクロする人を探している場合は、お互いがお気に入りに加える事でフレンドの状態になり、弱い紐帯を結ぶ事ができます。
ファンの状態でいられるというのが、コツです。そして、それがオープンになっている。これをオープンソーシャルと呼ぶんでしょうか。

はてなブックマークでは、ブックマークするときに、コメントとタグをつけることができます。タグ付けは、私の勘違いで、付けるのが面倒だなと思ってやっていなかったのですが、Firefox拡張を試してみて、簡単に付けることに気づいたので使ってみました。コメントの先頭に、タグ名をカギカッコ([ ])で囲むことで、ブックマークにタグを付ける事ができます。そして、これまで付けたタグ名が、以後、ブックマークするときに選べるようになるので、便利です。はてなブックマークFirefox拡張を使うと、これまでブックマークに付与したタグ名の一括置換などの便利機能が使えるようになります。
このタグ、私は、単純にブックマークしたページの分野の分類をするために使うのではなく、自分の気持ちやブックマークした理由の分類として使っています。そうすることで、私のブログのような抽象的なテーマが、どのように展開しているかが具体的に示す事ができると考えています。

オープンソーシャルOpenSocialと書くと、SNSサイトが外部アプリケーション向けに公開するWebサービスAPIの標準規格となります。この規格は最近できたもので、外部アプリケーションとしてはブログパーツが、今後はよりいっそう活躍するでしょう。「音楽は世界を変える」と誰かが言ったように、私は「ブログパーツは世界を変える」と言い回っているくらい、ブログパーツには注目しています。実際、このブログのテーマで具体的に進めているプロジェクトとして、ブログパーツを作成中です。
SNSのはじまりは、オープンなインターネット上に、クローズドなコミュニケーションを提供するためのサービスでした。それがさらにオープンという要素が加わって、弱い紐帯を結ぶためのインターフェースも提供されるようになったのがオープンソーシャルなのかなと解釈しています。
OpenSocialに、複数のSNSを結びつけるようなブログパーツもつくることができる規格を含んでいるかどうかは分かりませんが、私が注目しているのは、OpenIDによるアカウントの統一管理です。通常、アカウントは、サイト毎に作成します。OpenIDは、そのアカウントを他のサイトでも使えるようにする規格です。SNSの相互乗り入れのようなことができるようになるのです。
大手のSNSサイトがOpenIDに対応したというニュースを聞いた事があると思います。そのニュースで注意したいのは、そのほとんどは、OpenIDを発行できるプロバイダーになったよ、ということで、よそのサイトで発行されたOpenIDでログインができるリライングパーティーになったよ、と宣言した大手サイトはほとんどないということです。最近、FacebookOpenIDの受け入れ側(リライングパーティー)になったニュースがでました。Facebookはこの戦略でインターネット上のほとんどのユーザーを潜在会員にしたことになります。なぜなら、Googleを含めたほとんどのサイトがOpenIDのプロバイダーとなっていて、これらのサービスにアカウントを持っている人は自動的にOpenIDを取得しているからです。
これからは、会員数何名突破というクローズドな数字には意味がなく、各サイトがオリジナリティを出し合って、他のサイトとの連携で、インターネット住民の有機的で円滑なコミュニケーションの場を作り出していく方に力を注ぐ事ができるようになるのかもしれません。すでに、はてなmixiは、ファンとマイミクの違いのように、ユーザーが結ぶ紐帯の強さの違いでそれぞれにオリジナリティはでていると考えます。
大手が、OpenIDのリライングパーティーに踏み込むのが遅いのは、今のところ課金に関してのメリットがほとんどないからだと思います。ヨーロッパでは、Orangeという携帯キャリアがOpenIDプロバイダーとなって、OpenIDベースで決済ができるようになっているようなことを、『2015年の決済サービス ―決済の脱「ガラパゴス化」』(野村総合研究所決済制度プロジェクトチーム著)で目にしました。それも、本の最初の方で取り上げられています。OpenIDがいかに有望視されているかが分かると思います。
このレポートシリーズ、vol.3があるとすると、はてなのコメントでOpenID受け入れができたときかな。