資本主義のゆくえ

蛍光灯な反応ですが、1週間前のテレ朝のサンデープロジェクトで、「今あえて聞く!資本主義は崩壊か?」を注意深く拝見しました。資本主義のゆくえを論じる本は良く目にするのですが、ようやくテレビメディアでも取り上げられるようになったかと注目しました。私がこのテーマで注目するポイントは、ひとつ、通貨に言及するかどうかです。
で、この番組はどうだったかというと、通貨そのものには言及しませんでしたが、番組の冒頭で、司会者が「銀行や商社や証券会社がビクビクしているしているんだって。もしかしたら、日本は共産主義になるんではないかって。」というコメントが気になりました、軽いジョークなのか、それとも本気で金融のプロがそう思っているのか、どうなんでしょう。確かに、電子マネーを中心としたインフラの充実で銀行の再編がもう一度おきそうな気はしますが、さすがに共産主義になるとビビっている訳じゃないと思うんですが。
資本主義じゃなければ、共産主義かと、極端な議論展開をするところからして、テレビメディアが限界に達しているんじゃないのと、私も軽いジョークでつっこみたい。
まあ、この番組の司会者、朝まで生討論で、ワーキングプアのときに、搾取の状況があるというのを、肯定的にとらえている雰囲気があったので、今後のコメントが気になるジャーナリストの一人かな。もし、他にも通貨システムに詳しいテレビジャーナリストがいたらコメントください。
番組のなかで、外野からの「資本主義は柔軟だからまた回復するのか」というコメントで共産党員がざっくりと、19世紀からの資本主義の歴史を説明したのはわかりやすかった。
19世紀の資本主義はルールがなく、恐慌が発生、そして、ケインズ主義で、政府の介入が強くなった。それでも立ちいかなくなり、70年代で市場原理主義新自由主義がでてくる。
これは小泉さん、竹中さん、レーガンサッチャーもやった。フリードマンという学者がいいだした。と司会者フォロー。
政府の介入をしないで、市場に任せることをした。そうすると、貧困や格差、環境の問題がでてきた。と、共産党員。
で、じゃあどうすればいいのかという司会者からの質問で、共産党員は社会的な規制、ルールだといってました。
外野からは、社会、国のルールだけでは、グローバルな競争のなかでは。。というコメントで、国際的協調が必要と。
うーん、すごく普通。
具体的なルールの話では、株式会社のM&Aに関する投機と労働者を守るという点で展開があった。ここ、振り返ると、労働者という視点にたっている段階で、考えをもっと新しくしないといけないと思うんです。トフラーもいっているように、今は生産消費者に目を向けないとと思うんですが、どうでしょう。
後半に、司会者が、その共産党員の理想に近い国はオランダではないかと、誘導している場面がありました。実は、このオランダ、金融の電子化に積極的な国で、ヨーロッパで流通している決済システムなどは、オランダの企業だったりします。日本の銀行が恐れるべき国の一つではないかと思います。ここは微妙な場面ですね。たしか、インターネットの帯域で税金をかけようとしていたのは、オランダだったかと思うのですが、これまた微妙な国ですね。
討論の最後は、環境がでてきて、ヨーロッパの先進性をほめていました。多分、排出権などのことをいっているんだろうと思いますが、排出権も結局は現行資本主義の維持が目的な新たな通貨なんですよね。この取り組みで、排出量が削減されれば、願ったりですが、投機の対象になってしまえば、今の原油とかわらない状況になるかもです。
原油高も物の流れがかわって、今まで体験しなかった効果が期待できそうですが、先行きが不安なのにはかわりがないですからね。
だから、アジア、日本が、中道をゆくんですよ。心地よい風を吹かせることができる下地が日本にはあると思うんですが。どうなんでしょう。