新通貨勉強会2008-11-08レポート

勉強会はブログにレポートするまでです。ということで、おさそいしていた勉強会のレポートをまとめます。
まずは、全体の感想から。
参加者皆さんが勉強会を盛り上げていこうという雰囲気の中、ここちよい緊張感も混じって、いい感じで勉強会は行われました。集まった皆さんの年齢差も職種もさまざまで、さながら、異種格闘戦の模様。これも、コミュニティの管理者、id:hihi01さんが広く声をかけてくれたおかげだと、感謝しております。
この勉強会は、「新通貨」と「エンデの遺言」というキーワードで開かれたもので、mixiコミュニティのイベントの一つでした。ただ、主催者id:sakamataさんの意向としては、mixiに閉じず、広く公開したいということで、ブログでも参加を呼びかけたところ、ブログ経由で参加された方もいらっしゃいました。実際のところ、私も主催者と直接お会いするのは、二度目で、参加者皆さんとは初対面でした。主催者には失礼ですが、こんな段取りで、これほどの広がりを持って参加者が集ったのは奇跡だったのではと思っています。奇跡は起こるんです。
次に、勉強会の模様。発表者やタイトルなどは割愛。
・通貨の歴史、最初の勉強会ということで、導入として良かった。1928年世界恐慌で、立ち止まり、原因などについてみんなであれこれ、タイムリーな話題でした。まさしく、今の経済危機だからこそ、これほどの人の関心を集めることができたんだろうなと実感。
・通貨はデジタル化されたと締めくくられる。株券もデジタル化されようとしている。驚きだったのは、土地の権利書も単なるIDとなってデジタル化されるということでした。
mixiコミュニティのテーマ、「べき法則と信頼通貨」の紹介。mixiコミュニティの人にとってはおさらいのお話でしたが、今回のキーワードでもあるエンデの著書から、時間の生成と崩壊は、新しい価値観や考え方を与えてくれるものでした。
エスノメソドロジーの会話分析、勉強会の流れからして意外な展開でしたが、これも新しい気づきを誘発し、広がりを演出するいい発表でした。
・地球は金なり、世界統一通貨。場を盛り上げてくれたパワーある発表でした。そのあと、mixiでは「世界はひとつになれるか?」というテーマに発展しました。実は、このテーマ、私がこの三年間、考え続けたテーマだったのかも知れません。
・主催者によるブログパーツによる新しい試み、本当は小道具を使ってデモを行うはずだったのですが、時間が押していたので省略。
・私の発表、ブログパーツの実装プランの紹介。
・最後の自由討論、アンチ地域通貨の方がコメント。これも、奇跡で、これまでの既成概念にとらわれないで発想していこうという、参加者皆さんの気持ちが一致した感じがしました。
以上が、私の感想でした。それぞれの発表内容や参加者のブログなどはトラックバックからたどってみてください。

以下は私の発表内容です。これまでブログしたものも多く含みます。

・自己紹介、三年前よりITの可能性はまだあると気づく。
・認証の標準OpenIDが有力と思っている
クラウドの次はP2P
P2P+OpenID+しきい値秘密分散法が本命
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・私の通貨略歴、
・2005年仕事上でITの可能性がまだあることに気づく
・2006年いろいろ考えると通貨っぽいしくみ
・2007年「エンデの遺言」に出会う
・2008年新しい通貨を創ることをテーマにブログ開設
LETSのマイナスの通貨(交換リング)に興味
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・50年スパン(長期プラン)
・私の考える、50年スパンの目標というかたぶん世界がたどるであろうパス
・通貨をリデザインして、あえて、第四次産業に舵を取る。第四次産業を「空間の再利用」と定義してみる。3つの空間。
1.生産空間(生きる:貧困の克服)
2.交通空間(安全:車社会の見直し、環境問題の克服)
3.宇宙空間(希望:宇宙開発)
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ブログパーツ開発で利用するインフラ、リソース
Google App Engineをサーバ
ブログパーツFlashで提供
・認証にはOpenID
・検証用としてAdobe AIRアプリを作成、FlashFlex Builderで開発
・かかる費用はFlex Builderの31,500円のみ。これもSDK利用で0円にしたいところ。
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ソースコードはGoogl Codeを利用しオープンソースに。ライセンスは非コピーレフトとする。
・非コピーレフトとするのは、
・自由に使ってもらう
・ビジネス展開も考慮
プロプライエタリが出ても気にしない
・企業としての取り組みでは成功しない(理想の概念に対する絶対の信頼)
・もしかしたら非公開ソースでしか実現できないこともあるかも(将来の可能性に対する不安)
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・1年間のスケジュール(短期プラン)。
 - 実験版作成(2008/10 - 2008/12)
   開発フレームワークの構築
   技術的課題の洗い出し
   モデルのパラメータなどの決定
 - デモ版作成(2009/01 - 2009/04)
   デザイン
   テーマの絞り込み、広がりの確認
   公開サイトURL決定
   ドキュメント準備
 - 試験運用(2009/04 - 2009/10)
   関係者で試験利用
   不具合、改良点のフィードバック
 - 公開(2009/11 - )
   アピール
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ブログパーツで展開できるアイデア
 - タグ
   新しいページランクリンクの提案
    ニューラルネットワークの実現
     ブログパーツのネットが脳のシナプス結合のように
    グーグル検索ランクからの脱却
 - 非言語
   すべての人へ
    ファーストステップドキュメントも非言語で
 - セクション、レイヤー
   価値の多様性、分散管理
    SNS化する
    クローンを意図的に発生させる

・過去現在未来20年スパン(中期プラン)

図中のグラデーションは、出来事や新技術の発見をはじめとした10年を表し、エネルギーのようなものとして見てみる。図の下側はITの技術変遷、上側は経済、世の中の変遷、真ん中が、今の私たちのテーマのエネルギー。★は、私が「エンデの遺言」を知った2007年。

・4つのフェーズ

PDCAサイクルのようなイメージ。この勉強会を全方位的に、通貨をテーマに持つ方のハブとして機能させたい。ブログパーツ(しかけや実装)→コミュニティ(横断的に)→進化(学術的、思想的な深み)→広域展開(利用、フィードバック)
この図は、参加者の方々に、これらのサイクルの中で、どこで巻き込まれてもらうかをイメージしてもらうことが狙いでした。

以上、長々とコメント付きで、私の発表分の要点引用しました。4つのフェーズにあるように、今回は、最初のフェーズ、ブログパーツの紹介だと思っています。次は、今回参加していただいた方々がエバンジェリストとして、それぞれが所属するコミュニティとの接点を探してもらって、横断的なムーブメントが生じるきっかけになるような勉強会ができればいいなと思っています。
その成功のポイントは、今回、参加が少なかった女性の方へ、何か発見しそうと思ってもらえるメッセージを投げることでしょうか。

このテーマ、取り組みは続けることが重要と肝に銘じています。次回につながる、ヒントがあれば、コメントをよろしくお願いいたします。