ドル帝国の崩壊

マイケル・S・コヤマ著「ドル帝国の崩壊」(イースト・プレス)を読みました。
これから読み始める方は、以下はネタバレ注意です。
ちょっと分厚い本で、小説ですが、
・ドル暴落のきっかけ
・ドルが崩壊するとどうなるのか
・崩壊後の立て直し方法
を期待して読みました。それなりの答えは見つけましたが、国が定める法定通貨の範囲は超えない展開で、私の期待する展開ではありませんでした。
内容も、ドル崩壊前の心理戦のようなものとドルがどれだけ問題なのかを説明するのがほとんどでした。後半も後ろの方で、ようやくドルの崩壊がやってきて、崩壊時の詳細な状況表現はほとんどなしで、すぐに復活後の世界が描かれていました。
得られた答えとしては、
アメリカはドル維持のために戦争を起こすんだ。。
 (本書でごくわずかに語られただけです)
・国の通貨は、国家間の協調で守るしかない。
・行き過ぎた財政赤字は救いようがない。
・それでもアメリカには簡単には崩れない経済力がある。
です。
本書で描かれるドルが崩壊したアメリカの状況は、今の日本そのもので、さして地獄絵があるわけではなく、希望を失った停滞感があるというものでした。
現実世界でグルジア戦争が起きていることには、納得しました。かなり、きな臭いですね。