希望の国のエクソダス

村上龍希望の国エクソダス」を読みました。
2000年に出版されたものということで驚きです。予言書ではないかと思うほど、今、ホットな問題が列挙されています。学校裏サイトニート、格差、高齢者医療、エネルギー、etc。これらの問題を押さえつつ、妄想というか希望を、ただし、淡々と幻想的に描いているという感じを受ける作品でした。
この小説を読んだのは、もちろん、通貨について書かれているということを知ったからで、読んでみると、私の期待通りの表現で通貨が描かれていました。
小説のヒント、きっかけは、「エンデの遺言」だったのではないでしょうか。
2000年頃、世紀末とY2K対応であまりにもイベントが多すぎて、私は、こういった通貨を取り上げた作品に触れることができていませんでした。多分、私と同じように社会の小さな動きに気づかず2000年を過ごしてしまった人は多いはず。こうして、掘り返されているということは、2000年直前に生まれた小さな種が、今やっと、実を結ぶときがきているのかもしれません。