今年は世界天文年、日食もあるよ。

七夕ですね。ということで、197X LT Party の参加報告は次回に回して、私の大好きな、おすすめの宇宙萌えをご紹介します。
今年はガリレオ天体望遠鏡で宇宙を観測して400年、しかも日本では7月22日に日食があります。一部では皆既日食です。
ここ数週間に宇宙ものアニメやドラマが次々と放送されています。リアルな宇宙ものの漫画って、探してみると意外と少ないんですよね。今日は、そのチェックしていた漫画の中で、『宙のまにまに』のアニメが始まります。
高校天文部という、最近何かとはやりの部活アニメとなりそうです。高校で地学部だった私は、この漫画を読むと懐かしい思いでがよみがえってきます。
おすすめは、まだまだあります。もう、始まっていますが、『ふたつのスピカ』のドラマ。全7話ということで、脚本が原作の漫画とは違っています。第1話の前半では、今風な高校生のアスミやシンプルすぎる舞台に、ちょっと安っぽさを感じてしまったのですが、続けて見ると、グッときました。原作を読み直してみたくなったのですが、原作にないセリフがありますね。同じ高度を周回飛行する人口衛星、先行する人口衛星を追い越すには減速して高度を下げる、とか、ガガーリンは笑顔で選ばれた、だから笑ったほうが宇宙に近づけるよとか。悪くない、いいです。
ふたつのスピカ』はアニメも再放送してます。こちらもおすすめです。
再放送されている作品に、『プラネテス』もあります。あれ、今気づいたけど、PLANETES Webというページができている。前からあったのかな。プラネテスは超おすすめです。漫画もありますが、アニメの方から見るのがおすすめかな。
漫画では、『宇宙兄弟』が、旬な作品です。今、単行本で読んでいます。第6巻がつい最近発売されました。感動というよりも笑える宇宙って感じで、面白いです。

7月22日の日食、私は特に移動せず、関東で観測することになりそうです。その次、日本で皆既日食を見られるのは2035年9月2日。この時の皆既日食では、日食なんか目じゃないというくらい宇宙開発が進んでいると良いなと思っています。このブログのテーマも、最終ステップにはどうすれば宇宙開発をみんなの同意のもとに実行できるかというフェーズも考えていたりします。2035年までの26年間、ほとんどのインフラは大きな変化の兆しを見せるでしょう。いや、大きく変化を遂げているかな。それは、私たちのチャレンジしだい。えっ、私たち?って、あなたも含まれていますよ。

2万。多様性はスピードをも。

蛍光灯な感想で恐縮ですが、アニメ『東のエデン』、面白かったですね。最終話は、2万人のニートが日本を救うという、私が期待していたエンディングにはなったかな。正直な感想、もう少し、ハデに盛り上がってくれても良かったけれど、日本晴れの上空で、戦闘機がミサイル迎撃を繰り広げる明るく透明な空気感は良かった。前半の暗い雰囲気とのコントラストの差が印象に残ったんだろうね。そして、主人公滝沢が手をピストルの形にしてバァンと口で言いながらミサイルを撃墜させるのも、なんかサマになっていた。うん、十分ハデな内容ではあった。
と、劇場版も期待してます『東のエデン』、羽海野チカさんデザインのキャラクター以上に、私をとりこにしたのは、「2万」という数字です。
最近、この数字を良く見かけるような気がします。どこでって、具体的には言えないですが、なんとなくです。もしかしたら、Six degrees、6次の隔たりと関係あるのはと思ってこんな計算をしてみました。

 100の6乗=1,000,000,000,000

これじゃ、世界人口67億人(6,700,000,000)をはるかに超えている。

 20の6乗=    64,000,000
 40の6乗= 4,096,000,000
 50の6乗=15,625,000,000

なるほど、6次の隔たりは、一人に平均40人から50人の知人がいるということのようだ。こんな解釈でいいのかは、よくわからないけど、続けて、2万でもやってみました。

 2万の2乗=      400,000,000
 2万の3乗=8,000,000,000,000

日本の人口は、2乗で軽く突破、3乗は比較にならないくらいの大きな数字。
誤解を恐れずに持論を進めると、2万って、そんなに難しい数字ではないなと思っています。例えば、2万人のリスナー、2万アクセス、2万ダウンロード、これらはメジャーじゃなくてもインディーズでがんばっているところでは、作れない数字じゃない。ユニークユーザ数50名がせいぜいのこのブログで言うのもなんですが、、
2万の2乗をどのようにイメージするのか。私は、2万人へダイレクトに影響できるプロジェクトが、世界中に2万件ある様子をイメージしました。
ここで『東のエデン』の最終話に戻って、滝沢が2万人のニートを前に咲へ語った言葉を思い出してみる。
「あいつらは、直列につないでやれば、結構なポテンシャルを発揮するんだ。」
「もともと俺ひとりでやったわけじゃないんだよ。」
私がこのシーンで感じたのは、多様性はスピードをも凌駕し、一瞬をもたらす。
個々にスピードを上げよと言うよりも、お互いの個性を尊重し合う、こっちの方がスピードなんか超えて、瞬間に次元を超えられますよ。「選択と集中」ということばも、多様性がなければ選択もできないはず。もちろん、これはマイノリティの否定ではない。自分勝手に良いと思った少ない選択肢よりもできるかぎり多くの存在に気づく。こんな思いでHappyプロジェクトは続けられたらいいな。
世界に広がる2万件のHappyなプロジェクト。そして、これらを直列につなぐHappyマルチプロジェクトへ、最近こんな夢を語ってます。

currencybuilding、名前の由来。

先日、ゲゼル研究会主催の斉藤賢爾さん著『不思議の国のNEO──未来を変えたお金の話』の出版記念講演を聞きにいきました。
この講演を知ったのは、はてブの整理をしていたときでした。私のテーマ的に要マークだった斉藤賢爾さんのプロフィールのあるページをはてブしようかなと思って検索していたら、たまたま本の出版記事を見つけました。おっと、講演もある。例によってid:sakamataさんにチャットで聞いてみると、ほら、この記事にあるキーワード、私たちとのシンクロ率が高い、と一緒にキーボード叩きながら驚いてました。

当日は、SNSなどで呼びかけ合った仲間と連れ立って参加しました。懇親会にもお邪魔させていただき、とても楽しい有意義な一日を過ごせました。
講演は、出版した本のネタばれにならないように、本の物語には触れず、計算機科学者としての斉藤さんが、このテーマをどのようにとらえ、どんな姿勢で取り組み、そして見いだした課題や希望が含まれたメッセージでした。
計算科学は多くの面で経済的な問題を扱います。加えて、P2Pもまた経済と密接なつながりがあり、計算科学者として、金儲けではなく、科学という姿勢で経済の問題に取り組もうと思ったとの言葉に共感しました。
職業プログラマーである私も、私のもっている技術や興味が、これらの課題にもっとも近いような気がしていて、関わらないではいられないという気持ちで続けてきました。そして、その気持ちが一巡した感覚になったのが、講演の受付で本を受け取ったときでした。本の帯に坂本龍一さんのコメントがあったのです。
2年前、私が『エンデの遺言』に出会えたのは、プログラマーな視点から通貨というしくみそのものに興味を持って、書店で経済関連書籍の背表紙を目で追っていたときです。ふと、私のお気に入りのミュージシャン、坂本龍一という名前が目に飛び込んできました。え、なんでこんなところに?と、『エンデの警鐘』が『エンデの遺言』と一緒に並んでいました。ハードカバーだったのに、迷わず2冊とも購入。そこからゲゼルやリエターを知り、一気に、視界が広がりました。そして、もっと、この問題に目を向けた人と出会いたいと思い、currencybuildingという名前でブログを書き始めました。このブログは、私へ期待以上のスピードでハッピーな出会いをもたらしてくれました。そこから巡り巡って、再び坂本龍一さんのコメントに出会うとは。ジーンと来ました。

懇親会では、私のcurrencybuildingという名前に反応してくれた方がいました。currency、current、大局とか潮流という意味も含まれているよね、と、まさにそれは講演のサブテーマ的キーワードでした。言われて気づきましたが、そういえば、moneybuildingとしなかったのは、「流れ」のような要素を入れたかったからかもしれません。
buildingとしたのは、プログラミングでビルドするという用語があるのと、実は、『船を建てる』(鈴木志保さん著)という漫画の英語タイトルを参考にさせてもらいました。この漫画は名作らしいのですが、私はタイトルや登場するあしかの名前が気に入って復刻版で読みました。ほんわか不思議な漫画です。

と、currencybuildingの名前の由来はこの程度のことだったのですが、最近、言葉をいろいろと覚えました。出会った方々の刺激を受けて。今のマイブームは哲学です。科学史は受講したことがあるのですが、一般教養では経済、心理、宗教の順に興味があったので、哲学まではカリキュラムに組めませんでした。半年の講義で、それほどのものが学べるとは言いませんが、哲学はまるっきりだったようで、科学史にも登場するライプニッツを尊敬するのがせいぜい。そんな私が、例によって書店の哲学関連書棚で発見したのは、現代哲学があるということ。何を今更、なんですが、教科書に残りそうな哲学者が今も活動しているというのが驚きでした。
書棚の雰囲気を見る限り、今、哲学は軽いブームじゃないですか?そして、もっとも注目を浴びているのがデリダかな。そう、脱構築です。単語は、buildingではなくdeconstractionだけど、構築とか構造とか、社会をそういうフレームでとらえていく思考が面白いですね。うわっぺらしか追えてませんが、私たちが今感じていることは、そこそこ現代哲学者たちによって体系的に論じられているというのが分かったし、また、その哲学が社会へフィードバックすることで私たちの思考に少なからず影響していることを感じる事もできた。
でも、勉強した事を「昔の人は言いました。」と、ただ思考をトレースするだけじゃつまらない。プログラマーとしての私は組み立てることに楽しみを感じます。それも、一人でなく、大勢の人とオープンに。ウェーブという情報の伝搬だけでなく、カレントという潮流を。そして、ソリューションよりも先のテーマをハッピーに。
そう取り組みたいと思い直したcurrencybuildingでした。

東のエデン

今シーズンのおすすめアニメですね、『東のエデン』。制作、プロダクションI.Gに、キャラクター原案、羽海野チカ。どちらも私のお気に入りのすごいコラボだと、期待してみると、期待通りまんまと、第1話から引き込まれてしまいました。
そして、ストーリーの設定内容に、内輪で驚きました。主人公らが巻き込まれている得体の知れないゲーム。これが、うちらがやろうとしているプロジェクトとそっくりだったからです。始めに資本が与えられ、それを何かの目的のために使い、その使用履歴はゲーム参加者で共有されている。何かの目的とは、このアニメの場合、日本を正しき方向へ導くこと。私たちは、日本なんて言わずに、世界を目指してますけどね。
先週の第6話では、タイトルの由来が少しずつ分かってきた。話しがどこに向かっていこうとしているのかも、だいたいね。
タイトル『東のエデン』は、セカイカメラのようなシステムの名前だった。ニートの楽園を作るとか、持つものと持たざるものとかの気になるキーワードが噴出。最近、部活アニメが流行っているけど、これは、大学サークル+社会起業アニメってノリかな。何らかの面白い視点を見つけそうだなぁっと、過剰な期待をしながら、毎週楽しみにしています。

は・て・なにようこそ! vol.2

はてなさん、はてな住民100万人突破、おめでとうございます。ここ最近入居数が増加しているそうで、はてなブックマーク・キーワードの機能強化や斬新で面白いサービスの新規追加の効果だと思います。私も、はてなブックマークにはお世話になっていて、この弱小ブログが「通貨をデザインしよう」というなにやら抽象的なテーマにも関わらず、各方面の方々と広くて薄い紐帯を結べた経緯は以前ブログした通りです。
id:currencybuilding:20090302

vol.1のレポートから2ヶ月、はてなブックマークを効果的に利用する新たなコツが分かったので、今回、vol.2としてレポートします。コツといっても、みんなが普通に使っている機能だと思います。でも、はてなさんの気の利いたバージョンアップがとても心地よいので、私なりの視点で紹介させていただきます。
まず始めに注目したい機能は、プロフィールです。はてなブックマークで、気に入ったはてな住民をお気に入りに加えると、プロフィールで、お気に入り、ファン、フレンドと整理されます。この機能、昔っからあったのかは分かりませんが、mixiのマイミクっぽいですね。マイミクよりは気軽に使えるので、私は、「これは!」と思う人をお気に入りに追加していってます。マイミクとは違って、はてなのお気に入りは、ファンという状態でいられるので、片思いをしていることを相手に気づかせることができます。相手も積極的に、自分にシンクロする人を探している場合は、お互いがお気に入りに加える事でフレンドの状態になり、弱い紐帯を結ぶ事ができます。
ファンの状態でいられるというのが、コツです。そして、それがオープンになっている。これをオープンソーシャルと呼ぶんでしょうか。

はてなブックマークでは、ブックマークするときに、コメントとタグをつけることができます。タグ付けは、私の勘違いで、付けるのが面倒だなと思ってやっていなかったのですが、Firefox拡張を試してみて、簡単に付けることに気づいたので使ってみました。コメントの先頭に、タグ名をカギカッコ([ ])で囲むことで、ブックマークにタグを付ける事ができます。そして、これまで付けたタグ名が、以後、ブックマークするときに選べるようになるので、便利です。はてなブックマークFirefox拡張を使うと、これまでブックマークに付与したタグ名の一括置換などの便利機能が使えるようになります。
このタグ、私は、単純にブックマークしたページの分野の分類をするために使うのではなく、自分の気持ちやブックマークした理由の分類として使っています。そうすることで、私のブログのような抽象的なテーマが、どのように展開しているかが具体的に示す事ができると考えています。

オープンソーシャルOpenSocialと書くと、SNSサイトが外部アプリケーション向けに公開するWebサービスAPIの標準規格となります。この規格は最近できたもので、外部アプリケーションとしてはブログパーツが、今後はよりいっそう活躍するでしょう。「音楽は世界を変える」と誰かが言ったように、私は「ブログパーツは世界を変える」と言い回っているくらい、ブログパーツには注目しています。実際、このブログのテーマで具体的に進めているプロジェクトとして、ブログパーツを作成中です。
SNSのはじまりは、オープンなインターネット上に、クローズドなコミュニケーションを提供するためのサービスでした。それがさらにオープンという要素が加わって、弱い紐帯を結ぶためのインターフェースも提供されるようになったのがオープンソーシャルなのかなと解釈しています。
OpenSocialに、複数のSNSを結びつけるようなブログパーツもつくることができる規格を含んでいるかどうかは分かりませんが、私が注目しているのは、OpenIDによるアカウントの統一管理です。通常、アカウントは、サイト毎に作成します。OpenIDは、そのアカウントを他のサイトでも使えるようにする規格です。SNSの相互乗り入れのようなことができるようになるのです。
大手のSNSサイトがOpenIDに対応したというニュースを聞いた事があると思います。そのニュースで注意したいのは、そのほとんどは、OpenIDを発行できるプロバイダーになったよ、ということで、よそのサイトで発行されたOpenIDでログインができるリライングパーティーになったよ、と宣言した大手サイトはほとんどないということです。最近、FacebookOpenIDの受け入れ側(リライングパーティー)になったニュースがでました。Facebookはこの戦略でインターネット上のほとんどのユーザーを潜在会員にしたことになります。なぜなら、Googleを含めたほとんどのサイトがOpenIDのプロバイダーとなっていて、これらのサービスにアカウントを持っている人は自動的にOpenIDを取得しているからです。
これからは、会員数何名突破というクローズドな数字には意味がなく、各サイトがオリジナリティを出し合って、他のサイトとの連携で、インターネット住民の有機的で円滑なコミュニケーションの場を作り出していく方に力を注ぐ事ができるようになるのかもしれません。すでに、はてなmixiは、ファンとマイミクの違いのように、ユーザーが結ぶ紐帯の強さの違いでそれぞれにオリジナリティはでていると考えます。
大手が、OpenIDのリライングパーティーに踏み込むのが遅いのは、今のところ課金に関してのメリットがほとんどないからだと思います。ヨーロッパでは、Orangeという携帯キャリアがOpenIDプロバイダーとなって、OpenIDベースで決済ができるようになっているようなことを、『2015年の決済サービス ―決済の脱「ガラパゴス化」』(野村総合研究所決済制度プロジェクトチーム著)で目にしました。それも、本の最初の方で取り上げられています。OpenIDがいかに有望視されているかが分かると思います。
このレポートシリーズ、vol.3があるとすると、はてなのコメントでOpenID受け入れができたときかな。

灰羽連盟

はいばね。一話目から、なんだこれ?と引きつけられるアニメでした。原作があるそうです。ネタバレにならない程度に、物語の良さを紹介します。
見つけたきっかけは、動画サイトへリンクを張っていたブログでした。第一話を見た後、どのチャンネルで放送されているんだろうと、灰羽連盟のホームページを見ると、最初の放送は2003年だったということで驚きました。世の中、このテーマに関しては、あまり変化がない、むしろだんだん悪くなっているので、今も十分見応えのある内容になっています。再放送すればいいのに。
二話目に、不思議な経済概念がでてくるので、もしや、私のブログのテーマに沿った新しい経済概念が提唱されるのか!?と期待して続けてみましたが、それ以上の描写はでてきませんでした。
物語は、「守られている」や「弱者」などの消極的な表現で語りながらも、「助けて」、「助ける」、「助けたい」という人の心の叫びや欲求を不思議な世界観のなかで力強く、美しく、やさしく描いています。
私は、最近、新しい出会いが多い中、私のテーマを説明するときに、「助ける」「助けたい」という言葉をよく使います。これが人の心の本質ではないか、そして、この気持ちを生かせるインフラを作りたいと。
でも、灰羽連盟を見終わって、「助けて」という叫びや祈りがまず始めにあるのかな、ということに気づいた感じがします。「助けて」と言える相手がいる事、言われる自分になる事。「助けて」が伝わり、「助けたい」と応えられるインフラができるといいんだろうな。
と、独自の展開をしてしまいましたが、こんな風にも展開ができるのは、やさしさは根源だからでしょう。表面的なやさしさなんてないんじゃないかな。最終話の感想でした。

コラボ勉強会2009-03-28レポート

「勉強会は、ブログで報告するまでです。」を合い言葉に、3月末に浅草で行われた勉強会のレポートです。
私は、このブログでおさそいをかけたときは「通貨と地域と絆の勉強会」と題しましたが、参加者の方々、それぞれのテーマを抱いて、勉強会に参加されたようで、とてもユニークで楽しい勉強会となりました。懇親会ではホッピー、初めて飲みました。通な飲み方も教えてもらって、満足。さっそく床屋さんで、飲み方、自慢してきました。
勉強会はお昼過ぎ、ももちさんの基調講演から独特な雰囲気ではじまりました。タイトルは、「キアスムと贈与」。とても印象に残ったのは、後半に参加者全員に配られた短冊。この短冊の表と裏にある言葉を書き込みました。「ある言葉」は、実際にその場の流れの中にいないと良さが感じられませんし、講演で実演する良さも大事にしたいので、ここで詳細は書かないでおきます。二つの言葉を書き込んだあと、この短冊で両端をつなげて円環を作りました。ただの円環では短冊の表と裏は永遠に交わらないが、いちどひねってメビウスの輪っかにすると、短冊の片面をずっとたどると、裏面もたどれて、表と裏に書き込んだ二つの言葉はつながる。円環を閉じたコミュニティとすると、ひねることで外との接点ができる。今回のコラボ勉強会のように、それぞれのコミュニティの円環を一度切って他のコミュニティと広くて薄い紐帯を結ぶことで、絆を失ってスケールフリーな、べき乗則な状態になってしまった個々に再び絆をとりもどすことになるだろう。
とても納得できた講演で、前半の三つの円環からできるボロメオの結び目フレームワークとした普遍経済の考え方は、前回のブログ、0.5の深呼吸を私の4つのフェーズに取り込もうと思う進化につながりました。以前、4つという数字は偶数で周期的だと日記しましたが、1周では元に戻らなく2周すると元に戻る、ようなスピンがあるといいのかもしれません。時間を作る粒子が2周すると元に戻るスピンをもっているとか、「ペンローズのねじれた四次元」からヒントを得たんですけどね。
つづいて、べき乗則コミュニティの代表、ひできさんの発表。これから起こるであろう、人口の問題点をシミュレート。この後に、私たち、さかまたさんを中心とするプロジェクトの進捗発表でした。そして私たちのあとに、300万円のベーシックインカムはいかにして配分できるかという課題に対して、とても興味ある問題点を導きだした発表がありました。ひできさんの発表とこの発表は、これからやってくる人口減少という問題点と今起きている不均衡な配分の問題点を、オリジナリティある分析で明らかにしてくれました。これって、事前打ち合わせしていたんでしょうか。コラボ的な発表で、勉強会のとてもいい骨格を作り上げていたと思います。
そして、最後は、盛岡じゃじゃ麺。あー、食べたくなりました。最後は麺でしめた大成功の勉強会となりました。

私たちのプロジェクトの進捗報告は、さかまたさんと私の二人が前に出て発表しました。今回の発表では、統一感とチーム感を大事にするように決めていました。私が用意していた2枚のスライドも、さかまたさんが同じプロジェクトの帯をつけくれてバッチリ決まっていました。
発表内容は、さかまたさんが、前回の勉強会のおさらい、新しい仲間の紹介、そして、新しい仲間が加わった事で仕様やデザインがより具体的になったことを、画面サンプルを交えて報告しました。前半のおさらい部分は、私の言いたい事もすべて入っていて、横で待機していた私はうんうんと聞き入ってました。画面サンプル部分の紹介も、日頃のSkypeミーティングの成果もあって、私がまだ実装にたどり着けていないところや実装のポイントなど、技術的なニュアンスも、私の感覚とまったく同じで、フォローがまったくいらない完璧な報告でした。
最後の方に挟んだ私の2枚のスライドで、私がバトンタッチを受け取り、これまでの歩みと技術的興味の対象を紹介しました。プロジェクトの歩みの方は、例によって4つのフェーズで順調に繰り返し(ソフトプロジェクトっぽくいうと'イテレート')していることを、フェーズ毎に色分けしたトピックで示しました。

ちょいネタですが、このスライド、時間軸の色分けはPSPの月別の背景色になっています。最近の私のマイブーム、「色」なんです。
もう一枚のスライドは、技術的興味の対象。

多実装と掲げたのは、インターフェースは同じだけど、中身の実装は複数のパターンがあってもいいというメッセージを込めたものです。今回のプロジェクト、サーバ側は、現時点では、クラウドGoogle App Engineを、実装言語はPythonで、と進めています。しかし、日本ではPythonになじみが少なく、仲間集めの障壁になっているような感じがしています。多実装、マルチレイヤーというメッセージで、いろんな得意分野の人へアピールができたらいいなと思っています。
このスライドにある吹き出しのテーマは、テーマさえもいろいろなものがあっていいと考えたものです。特に、通貨というテーマは、様々なテーマと結びつく事ができます。プロジェクトは、いろいろなテーマとのつながりも大事にし、さまざまなツールや技術レイヤーを駆使して、それらのテーマを応援することを目指しています。
あれ、一瞬、なんか目的が変わったように見えましたが、いえいえ、この適用範囲(スコープ)の広さは、さかまたさんが最初から狙っていたものなんです。

私の2枚の次は最後のスライドで、さかまたさんのまとめに戻りました。このまとめでは、事前の確認のときに、私は、メンバー募集にならんで、コラボプロジェクト募集を追加することを提案していました。提案するに至った経緯は、数週間前に、趣味仲間のおじいちゃんから、そばうち、を教えてもらったことにはじまります。
おじいちゃんは、70歳を過ぎてなおいろんなことにチャレンジするスーパーおじいちゃんです。私はとても尊敬しています。そばうちは退職後に独学で習得したそうです。それに加えて道具類もすべて自分で作っていて、教えてもらった手順もすごく論理的で、最後はちゃんとおいしいそばになりました。
そばうちは、大きく二つの工程に分けられます。そば粉に水を加えてひとつのかたまりにする〜ねり〜と、それをめん棒で広げる〜のし〜です。私は、めん棒一本でかたまりを正方形にする〜角だし〜という技に驚いたのですが、それ以上にもっとドラマを感じたのは、ねりの工程でした。
そば粉を大きくて頑丈な器に広げ、必要な量の7、8割の水をどばっと加え、すばやく水を粉全体に行き渡るようにかき混ぜます。すぐに、だんご状態にするのではなく、水分を多く吸ったかたまりに水分のない粉をぶつけて、力を加えないでもみながら全体が湿った状態をつくります。すると、少しずつ小さなかたまりがたくさんできてきます。ある程度かたまりができてくると、全体を軽く手でなぞって、かたまりの部分とまだかたまっていない粉の部分とに分けます。粉が多い方に、残りの水を加えてまぜて、全体を同じくらいの粒度のかたまりの集団に仕上げていきます。そこから、徐々に力を加えていって、その粒度を徐々に大きくしていきます。この工程、まとめるという意識をしないでも、徐々に同じ粒度のかたまりが集まって、最後は一気に一つのかたまりになったのがとても不思議で面白かったです。
話しはもどって、この経験が、あのコラボプロジェクト募集のきっかけになったのです。大きなムーブメントを起こすにはやり方があるはずだ。一つの種が大きくなることもあるだろうが、たくさんの種を同じ様に育てることがコツなんだ。そう思ったのです。
さらに話しはもどって、広くて薄い紐帯、同じ粒度のかたまりをつなげていくとできあがるのは大きなかたまり、意識をしないでも、ぶつかりあったり、巻き込まれたりで、ひとつの大きな絆を築く日がやってくるんではないかなと思いました。

他にもいろいろ思うことや進化を経験できました。感じたのは、今私の身の回りで起きていることが、いろいろな形で勉強会のなかで結実するという現象です。驚くほど不思議な現象で、私はだれかに誘導されているのではと錯覚してしまいそうなくらいです。多分、その誘導は間違った方向というのではなく、必然というか、全体がそう感じ、思ってきているからなのかなと思ったりもしています。

最後に、今回このブログ経由での参加はなかったようですが、みなさん、広くて薄い紐帯を結びませんか。こんな面白いプロジェクト考えてんだ、っていうお話を是非聞かせてください。